四旬節第四主日の説教―感謝(2025年、大阪と札幌)

ソース: FSSPX Japan

パンと魚の増加の奇跡

四旬節第四主日の説教―感謝(2025年、大阪と札幌)

2025年3月30日 ブノワ・ワリエ神父

四旬節第四主日の説教―感謝

親愛なる兄弟の皆さま、
パンの増加の奇跡ほど、印象的で明白なものはないでしょう。人々は荒れ地のところにいましたから、そんなところで、一万人以上の人に食べさせるのに十分なパンと魚を手に入れることが、どうすれば可能だったのでしょうか。それを増やすことは、イエズス・キリストによって行われました。そこに使徒たちがいただけではなく、大群衆の目の前でのことでした。ですから、いかなるトリックも不可能だったのです。

私たちは、この奇跡に驚きますが、それは当然のことです。なぜなら、天主の御力と善の明らかなしるしだからです。しかし、私たちは、自然と恩寵という、いつもある奇跡にも驚くでしょうか。

私たちの目の前で絶えず起こっていることに注目しましょう。一粒の種が土に蒔かれ、自然の秘密の法則によって、種は分解し、根を張り、葉を茂らせ、茎に成長し、穂を出し、同じものを増やし、最後には穀物が成熟します。その後、この穀物は収穫されて挽かれ、生地にされ、焼かれ、パンとして食卓に並びます。

姿を変え、増加するという働きは、ゆっくりと進みます。どちらの働きも、大地や空気、水や光のうちに蓄えられた自然の力の効果であり、人間によって季節に応じて適用・変更を加えられます。穀物を増加させる自然の力が、自然の法則のもとで作用して、私たちにパンを供給し、そのパンによって、私たちは糧を得て、栄養をもらうのですが、すべては天主から来るものであり、天主に従うものなのです。

さて、イエズス・キリストがパンと魚を増加させられたとき、主は荒れ地で何をされたのでしょうか。天主にして人間、そして至高の原因であるイエズス・キリストは、ご自分のうちに原因と結果のすべてを見事に内包しておられるため、通常の過程を短縮して、自然の法則による通常の働きでは得られるのに何カ月もかかっていたパンを、ほんの一瞬でつくり出されたのです。

聖アウグスティヌスは、こう言います。「数粒の種で畑の麦を増加させられる天主は、人間となられた御子の御手においてパンを増加させられた」。この教会博士は続けます。「われわれは、たった一度だけ増加したパンの奇跡に驚くが、数粒の穀物が収穫を増加させ、全人類に糧を与えるという、御摂理の絶え間ない働きには注意を払わない。それはなぜか。前者は一度しか行われなかったのに対して、後者は私たちの目の前で絶え間なく行われ、頻繁であるがゆえにあまり意識されないからである。繰り返されることで、ありふれたものになるのである」。

結論

親愛なる兄弟の皆さま、
私たちは、驚くべき被造物や、善き主が日々与えてくださるすべての超自然の恩寵を、当然のものと考えがちになっています。
ご聖体を表す言葉「エウカリスチア」は、感謝という意味のギリシャ語ですから、私たちは天主への感謝を表して、ふさわしく、喜びをもって、「天のパン」を拝領しましょう。アーメン。