復活の主日の説教(2025年、大宮)

ソース: FSSPX Japan

キリストの復活

復活の主日の説教(2025年、大宮)

2025年4月20日 ブノワ・ワリエ神父

復活の主日の説教

「主は、三日目に、死者のうちよりよみがえり給うた」(使徒信経)

親愛なる兄弟の皆さま、

ラザロや、やもめの息子、会堂の司の娘など、何人もの人々が死者の中からよみがえりました。

しかし、聖トマス・アクィナスによれば、キリストの復活は、その人々や他の人々の復活とは、四つの点で異なっています。

(1) 復活の《原因》が異なっています。死からよみがえった他の人々は、自分の力によってよみがえったのではなく、キリストの力、あるいは、聖人の祈りによってよみがえりました。しかしキリストは、人間であるだけでなく天主でもあったため、ご自分の力によってよみがえられました。キリストの神性は、キリストの霊魂や肉体から、決して離れることはなかったのです。それゆえ、キリストが望まれたとき、キリストの肉体は再びキリストの霊魂と一つになったのです。「私には、命を与える権威があり、また取り戻す権威もある」(ヨハネ10章18節)。

(2) キリストがよみがえられた《命》が異なっています。なぜなら、キリストは、栄光と不滅の命へとよみがえられたからです。「キリストは死者の中から、御父の栄光へとよみがえった」(ローマ6章4節)。死者の中からよみがえった他の人々は、ラザロの例で明らかなように、以前と同じ命に戻ったのです。

(3) 《力》が異なっています。なぜなら、すべての人は、キリストの復活のおかげで、よみがえるからです。ですから、聖マテオは、次のように書いています。「多くの墓が開き、死んだ聖徒の屍は数多く生き返った」(マテオ27章52節)。聖パウロは、こう述べています。「キリストは死者の中から復活し、眠りについていた人々の初穂となられた」(コリント前書15章20-21節)。

(4) 《時期》が異なっています。他のすべての人の復活は、世の終わりまで延期されますが、キリストは三日目によみがえられました。その理由は次のとおりです。もしキリストがすぐによみがえられたのであれば、キリストが死んでおられるということに信憑性がなくなってしまうからです。同様に、もしキリストが復活をずっと延期しておられたのであれば、弟子たちはキリストへの信仰を保てなかったでしょう。ですから、キリストが三日目によみがえられたのは、キリストが私たちの罪のために死なれ、そのあと、勝利のうちに死からよみがえられたと、私たちが信じることができるようになるためなのです。

結論

親愛なる兄弟の皆さま

聖パウロは、私たちに、こう勧めています。「あなたたちは、自分は罪に死んだ者、私たちの主キリスト・イエズスにおいて天主のために生きる者だと思え」(ローマ6章11節)。

ですから、本当に、罪の死から義の命へと霊的によみがえりましょう。「眠る者よ、起きよ、死者の中からよみがえれ、キリストはあなたを照らすであろう」(エフェゾ5章14節)。

これからは、これまで罪と死の機会や原因であったものを避けましょう。「キリストが御父の栄光によって死者の中からよみがえったように、新しい命のうちに歩め」(ローマ6章4節)。

復活された主と天の元后の功徳によって、私たちは、このことを願い求めます。アーメン。