聖霊降臨後第二十六主日(御公現後第六主日)の説教―控えめでも力強い回心の道具(2024年、大阪―名古屋)

ソース: FSSPX Japan

天国のたとえ話

聖霊降臨後第二十六主日(御公現後第六主日)の説教―控えめでも力強い回心の道具(2024年、大阪―名古屋)

2024年11月17日 ブノワ・ワリエ神父

天国のたとえ話

天の国は、パン種のようである。
女がそれを取って三斗の粉の中に隠すと、全部が膨らむ【マテオ13章33節】。

I.このたとえ話の説明

1)中東では、主婦が自分の生地をこね、寝かせます。
2)酵母には、生地に浸透して行き渡り、生地を《内側から》変容させる特別な力があります。
3)パン種は、ただ生地の中に入れるのではなく、生地の中に《隠します》。
4)生地のどの部分も、酵母の影響を免れません。
5)ユダヤの三斗は相当な量です。聖ヒエロニムスは、このようにして与えられた量(全部で34リットル)は、18人が5日間過ごすのに十分な量だと言っています。
6)パンを作ることは人々の一般的な行為であり、なんら特別なことではありません。

II.このたとえ話の解説

今日のたとえ話は、いわゆる天国のたとえ話です。教会と救いについての教えです。今日のたとえ話は、この世の回心を扱っています。

1)女は、教会を象徴しています。
2)三斗は膨大な量です。キリストはパン種にその力を与えられました。福音の力はそれほど偉大であるからです。
3)酵母が生地を変容させるように、教会はこの世を変容させる力です。酵母のように、教会には、《内側から》変容させる神秘的で抗いがたい力があります。
4)女は、パン種をただ生地に《入れた》のではなく、パン種を《隠しました》。それは、私たちはこの世に抑圧され、無視されるが、滅ぼされることはない、という意味です。
5)生地のどの部分も酵母の影響から免れないように、キリスト教は、あらゆるところで変容の効果を生み出します。

結論

親愛なる兄弟の皆さま、

◆今日のたとえ話は、いわゆる天国のたとえ話です。霊魂の救いを扱っています。そして、母なる教会は、全世界を回心させるために私たちを必要としています。

◆トリノのマキシムスによれば、霊魂の回心は、私たちの主のなさり方に従います。
 ◆主は人間に似たものとなって、その《卑しさ》において小さく、その死すべき弱さにおいて取るに足らない者として、お現れになりました(フィリッピ2章)。
 ◆すべての人がキリスト教徒となるように、すなわち、もう一人のキリストとなるようにするために、あらゆる人種の人々を、《主はご自分のもとに引き寄せられました》(ヨハネ12章23-25、32節)。

◆私たちにはまた、使徒たちや聖人たちの模範もあります。彼らはこの世に生きていましたが、観想的で、しばしば無名の人々でした。しかし、この世の変容と回心のためには、非常に活発な人々でした。

◆これは、私たちの人生における宗教の位置づけを示しています。宗教は、身に着ける衣服のような《単なる外面的なものではなく》、生地の中のパン種のようでなければなりません。宗教は、あらゆる局面で人間の人生を貫いて浸透し―内側から着実に働きかけ、行動や動機を形作り、またそれらに影響を与えるものでなければなりません。宗教は、主日における形だけの行為であってはなりません。宗教と、人生のあらゆる局面の間に、対立があってはならないのです。

◆「主のはしため」のイメージのもと、謙遜で、優しく、しかし力強く、家庭や職場、小教区、そして全世界を変容させるパン種になりましょう。アーメン。