ローマ巡礼の資料1:キリスト教ローマが異教ローマを破る

ソース: FSSPX Japan

ローマ巡礼2025の資料 付録

Dossier Pelerinage Rome 2025 Annexes
Texte 117 – La Rome chrétienne a vaincu la Rome païenne の日本語訳をご紹介します。
 

第117項:キリスト教ローマが異教ローマを破る

ローマはかつて異教帝国の首都であった。それを物語るように、旧市街やフォロ・ロマーノには多くの神殿や宮殿の跡が残されている。
文化と誇りと官能の都ローマは、同時に奴隷制と多神教の都でもあった。
聖ペトロは、異教の中心地であるこの都を選んだ。そしてローマを教会の本拠とし、キリストの王国の中心としたのである。最初のキリスト者たちは、自らの血でもってこの地を勝ち取った。こうしてローマは全人類の共通の祖国となった。
この都には、まだ若かった教会が踏み出した最初の一歩の痕跡がいくつもある。全ての痕に、初代キリスト者たちの血の跡が染み込んでおり、何千人にものぼる彼らはこの聖なるローマの土地にいまだに眠っているのだ。
毎日、世界各国からの巡礼者がカタコンベを訪れている。カタコンベとは、地下墓地であり、時には6層か7層におよぶものもある。ローマの法では、墓地は不可侵であった。そのために、教会の秘められた活動は地下墓地において発展することができたのである。聖なるミサ聖祭はそこで執り行われ、また殉教者はそこに埋葬された。
ローマでの最も感動的な内容の一つは、間違いなくカタコンベでのミサだと言える。そこでは、初代のキリスト者たちとの深い親密な交わりが実感できるのだから。
 コロッセオは、イエズス・キリストの死からおよそ50年後に、ローマの大スポーツ競技場として建設された。コロッセオには8万人の観客を収容できた。現在も、その大部分が良好な状態で残されている。中世にはそこに十字架が建てられた。そして毎年、枝の主日の前の金曜日にはそこで十字架の道行が行われている。感動的な十字架の道行である。多くの殉教者の血が溢れたこの場所において、さまざまな人種の巡礼者、異なる言語を話す巡礼者たちが、みな一致して次のように信仰を告白するのだ。「unam, sanctam, catholicam et apostolicam Ecclesiam 一、聖、公、そして使徒継承の教会を信じる」と。

 313年のミラノ勅令によって教会に自由が与えられると、初代の教会がいくつも建てられた。そしてローマは、徐々にキリスト教の壮麗な中心地となった。またそれによって、芸術と文明の中心にもなるのである。この事実を、今日私たちはローマのバシリカや宮殿の中に発見し、そして感嘆する。

キリスト教ローマが、異教ローマに勝利した!
いったいどうして、このような勝利が可能だったのだろうか? というのも、異教ローマは文化の絶頂にあり、また何千人もの奴隷を擁しており、さらには無数の「神々」を崇めていた。さらには、キリスト教徒たちは3世紀にもわたって想像を絶する残虐な迫害を受け続けていた。こうしたなかでの勝利は、ひとえにある一つの徳のおかげで可能になった。その徳とは、キリストが説き、また最初キリスト者たちがまさに実践していた徳、つまり愛徳である。純粋な兄弟的な愛という概念は、異教世界には存在しなかった。彼らの人生はすべて、富の追求によって動かされていた。したがって、ある人がキリスト者であることは、彼が示す真に兄弟的な愛徳によって認められたのだ。ある異教徒はこう叫んだほどである。「見よ、彼らがどれほど互いに愛し合っているか!」 異教ローマがキリスト教ローマとなったのは、まさに愛徳によってであった。
私たちが生きる20世紀は、異教ローマと多くの類似点を示している。私たちは、異教が攻撃性を持って再び活発になっているのを目の当たりにしている。そして今、宗教が迫害されている数多くの国々に生きる多くのキリスト者たちにとって、戦いと殉教の時代が再び訪れたのである。世界中のあらゆる国々から聖なる都ローマを訪れる何百万もの巡礼者たちが、この聖年にあたって、次のことを悟ることができるように祈ろう。我々は、現代の異教であっても、キリスト教の本質的な特徴によって打ち勝つことができる、つまり、愛徳によって、勝つことができる(中略)、と。
 ローマは、私たち全員の共通の祖国であり、この祖国は何千人もの殉教者の血によって勝ち取られた。ローマは、愛徳という抵抗し難い力によって、教会がいつの時代でも勝利することを輝かしいばかりに証明してくれる場所なのだ。
「O felix Roma ! おお、幸いなるローマよ!」聖ペトロ大聖堂の聖歌隊はこう歌い、使徒の頭である聖ペトロの祝日に、世界中の司祭たちが聖務日課で繰り返す言葉である。― O Roma felix, quæ duorum Principum, Es purpurata pretioso sanguine ! おお、幸いなるローマよ、おまえは二人の使徒のかしら(聖ペトロとパウロ)の尊い血によって赤く染められた!

(La Voix de Rome, Ed. Bonne Presse-Averbode, 1950, p. 56-58 より)

【参考資料】
教皇行進曲 O felix Roma - o Roma nobilis おお、幸せなローマ、おお、高貴なローマよ

ラテン語

O felix Roma – o Roma nobilis:
Sedes es Petri, qui Romae effudit sanguinem,
Petri cui claves datae
sunt regni caelorum.
Pontifex, Tu successor es Petri;
Pontifex, Tu magister es tuos confirmans fratres;
Pontifex, Tu qui Servus servorum Dei,
hominumque piscator, pastor es gregis,
ligans caelum et terram.
Pontifex, Tu Christi es Vicarius super terram,
rupes inter fluctus, Tu es pharus in tenebris;
Tu pacis es vindex, Tu es unitatis custos,
vigil libertatis defensor; in Te potestas.

VOX ACUTA, VOX ALTERA AB ACUTA
Tu Pontifex, firma es petram, et super petram
hanc aedificata est Ecclesia Dei.

VOX MEDIA, VOX GRAVIS
Pontifex, Tu Christi es Vicarius super terram,
rupes inter fluctus, Tu es pharus in tenebris;
Tu pacis es vindex, Tu es unitatis custos,
vigil libertatis defensor; in Te potestas.

CHORUS
O felix Roma – O Roma nobilis.

【意味】
おお、幸せなローマ、おお、高貴なローマよ、
おまえは、ローマで血を流したペトロの座、
天国の鍵が与えられたペトロの。

教皇よ、あなたはペトロの後継者、
教皇よ、あなたは自分の兄弟たちを固める教師、
人間たちをすなどる者、群れの牧者、天と地を結ぶ者。
教皇よ、あなたはキリストの地上における代理者、
高波の中の岩、闇を照らす灯台、
あなたは、平和の護り主、あなたは一致の守護者、
自由の用心深い擁護者、あなたに権能がある。

(高い声)
あなたは教皇、堅い巌、この巌の上に天主の教会は建てられた。

(普通の声、低い声)
教皇よ、あなたはキリストの地上における代理者、
高波の中の岩、闇を照らす灯台、
あなたは、平和の護り主、あなたは一致の守護者、
自由の用心深い擁護者、あなたに権能がある。

(コーラス)
おお、幸せなローマ、おお、高貴なローマよ、

6月29日の聖務日課の晩課の讃歌の一節

O Roma felix, quæ duorum Principum
Es purpurata pretioso sanguine
Excellis omnem mundi pulchritudinem
Non laude tua sed sanctorum meritis,
Quos cruentatis iugulasti gladiis.

おお、幸いなるローマよ、おまえは二人の使徒のかしら(聖ペトロとパウロ)の
尊い血によって赤く染められた!
おまえは世の全ての美をしのぐ、
おまえの賛美によるのではなく、
おまえが流血の剣でその首を切った諸聖人の功徳によって!