教皇レオ十三世による回勅 『ディヴィヌム・イッルド』(抜粋) Divinum Illud
訳者 聖ピオ十世司祭兄弟会
1897年5月9日
聖霊について
イエズス・キリストの教会
教会は、既に孕んでいましたが、いわば十字架の上で眠りについた新しいアダムの脇腹から出て、聖霊降臨の顕著な日に、輝くばかりに人々の前に初めて姿を現したのです。この日、聖霊はキリストの神秘体において、預言者ヨエルがその昔からあらかじめ見ていた素晴らしい霊の流出によってその福祉を広げ始めました(ヨエル2:28-29)。なぜなら、慰め主は「使徒たちの上に座し、彼らの頭に炎の舌の形を取って、新しい霊の冠をおいた」(エルサレムの聖チリロCathechesis XVII, PG 33, 987)からです。
聖ヨハネ・クリソストモは書いています。その時、使徒たちは「モイゼのように自分の手に石板を持ってではなく、自分の霊魂に聖霊を持って山から下り、この聖霊は宝のように、また真理と恵みの大河のように広がっていった」(In Matth. Hom. I. PG 57, 15.)と。こうして、聖霊の派遣に関してキリストが使徒たちにした最初の約束が実現したのです。聖霊は、その息吹によって、いわばキリストの教えを完成させ調印しなければなりませんでした。
「私にはまだあなたたちに話したいことがたくさんあるが、今あなたたちは、それに耐えられない。しかし、彼、つまり真理の霊が来るとき、彼はあなたたちをあらゆる真理に導くであろう」(ヨハネ16:12-13)。
レオ十三世
Divinum Illud 1897年5月9日
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