教皇福者ピオ九世の『ヤム・ヴォス・オムネス』 Iam vos omnes
教皇書簡
訳者 聖ピオ十世司祭兄弟会
1868年9月13日
DzS2997~2999:すべてのプロテスタント
および非カトリック者にあてた
この教皇書簡によってピウス九世は、[第一]バチカン公会議の召集を機会に、カトリック教会外のすべての人に向って、教会と一致することを呼びかけた。
教会は救いのために必要
2997 キリスト・イエズスご自身が、人類のあらゆる世代にご自分の贖いの実りを適応するために、この地上において、ペトロの上にご自分の唯一の教会をすなわち、一、聖、公、使徒継承の教会を建てたこと、また、信仰の遺産が完璧に傷なく守られ、またその同じ信仰がすべての人民、すべての民族、すべての国に伝えられるために、また洗礼を通してすべての人が自分の神秘体へと加えられるために、…また、自分の神秘体を形成する同じ教会が自分の固有の本性によって世の終わりまで常に安定し不動のものとして留まるために…この教会に必要な全ての権能を授けたことを誰ひとりとして否認しかつ疑うことはできません。
2998 しかし今、カトリック教会から分離した、互いに相違し一致していない種々の宗派が置かれている状態を正確に考え、黙想するような人は、……これらの同じ諸宗派の中の(カトリックとは)別のある特定の教会が、またこれらすべての宗派が一つになった結合体が、いかなるやり方でも決して、主キリストが建て形成し、そうあるように望まれた、かの唯一なるカトリック教会を形成しえず、また唯一のカトリック教会でありえないこと、またカトリックの一致から目に見える形で分裂している時、それらが同じカトリック教会の肢体あるいは一部であるとはいかなるやり方でも決して言われえないことを、容易に納得しなければならないでしょう。なぜなら、このような諸宗派は、人々に特に信仰と道徳の規律に関することを教え、永遠の救いに関する全てのことにおいて人々を導き指導するために天主から与えられたかの生きた権威を欠き、また、これらの宗派自体はその教説において続いて相違し、同じ宗派におけるその可動性と不安定性は決して止むことがないからです。このことがキリストによって建てられた教会に対立していること、しかも最大のやり方で対立していることを、・・・誰もが簡単に理解するのです。
2999 ですから、願わくは、カトリック教会の一致と真理とを持たないすべての人は、この[第一バチカン]公会議の機会を利用しますように。この公会議によって、彼らの先祖が属していたカトリック教会は、親密な一致と、対抗することの出来ないほど生き生きとしたその強さの新たな増加を示すのです。また願わくは、自分たちの心の必要に応えつつ、自分自身では安全に救いに達することができない状態から抜け出すように努めますように。
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